祈り
小原あき

雪の切れ間のお日さまは
神様がこちらを
ちらりと覗いているみたいで
わたしはしばらく
なにかを祈るのです


人間は昔より
自然とお話ができるようになりました
知らなかったしくみを
すこしづつ
理解しはじめたのです

なぜ、花は綺麗に咲くのか
大きなクジラの好物は小さな生きもの、とか
どうして南極の氷は溶けるのか

雲の上はやっぱり晴れていて
海の底には蛍光灯の魚
山の天辺は酸素すら少なくて
街には人間と隣あわせで暮らしてる


わたしたちはいつも
自然のために生きました

自分のせいにして
悲しんで
心を傷めて
泣いていました

だから、お話をするのです

もっともっと
きみのことが知りたい
ずっとずっと
きみと一緒にいたい

(自分勝手は人間です
だけど、
自分勝手は
自分勝手に気付きません)


ある日突然
雲と太陽と
わんこと宇宙と
普通にお話がしたいのです

そんな日は
きます
いつかきっと
願いと祈りは
真実にする力があるのです

雪の切れ間に見えた神様は
人間の形をしていました
たぶん、あれは
いつかの先祖

わたしたちは
今を自然と生きるために
お話をするのです

そうして、いつか
雪の切れ間の
神様になります



自由詩 祈り Copyright 小原あき 2007-02-24 15:30:36縦
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