あぶく
436

まるであんぱんを分けあうように
二人はその心を互いに分けあった

まるで紅茶にいれた角砂糖のように
それぞれの心に溶けて一体となった

まるでエルドラドを目指す旅人のように
二人は二人で一つの場所を目指していた

まるであぶくのように
黄金郷は消えていった

まるであぶくのように
心を見失ってしまった

まるであぶくのように
心は心のままであった

まるであぶくのように
結びついたまま消えた

まるであぶくのようにしか
もうだれも愛せなくなった




自由詩 あぶく Copyright 436 2007-02-22 09:41:58
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