ニラ茶アバ茶さぁどっち
虹村 凌

真っ暗な部屋を抜け出して
煌々と照りつける蛍光灯の下でふかした煙草は
よくわからない色をしていた
きっと名前なんて無い色だ

戦隊物のヒーローは決まって真っ赤
お茶目なイエロー
クールなブラック
セクシーなピンク
三枚目のブルー
誰かが何回も言ってた事だけどね

俺は黄色くてアイツは黒い
いや俺が黒くてアイツは白い
あそこは黄色くてどこかは薄茶色
白が一番上で黒が次で下に黄色がいて
その間に中途半端な色がいて
薄茶色が自分を黒だと言い出して
面白ぇよなぁ

生まれたところと皮膚と目の色で
何となく検討がつく世界
笑わせてくれんじゃん
それだけで色々とわかっちゃうじゃんか
嘘吐き

真っ暗な部屋の中で輝き続ける虹だって
みんなが知ってる虹色なんかじゃないさ
全部名前の無いような色でさ
すっごい綺麗なんだ
きっと
綺麗なんだよ
この煙草の煙みたいに

管理人に見つかって怒られて
何とか罰金を逃れて
転がり込んだ部屋の中で吐き出した煙は
またちょっと違う色
笑えてくるねぇ

おい
笑えよ
面白いだろ
色で色々わかちゃう世界さ
おかしくてたまんねぇ
面白く無いお前は色盲だ
いや俺かも知れん
どうだっていいじゃねぇか
笑えるだろうが
腹筋が割れそうだよ俺は
いやいや先に茶を沸かせるかも知れんから
一緒の飲んだらどうだ
茶の色なんぞどうでもいい
色を言ったら何茶かバレるじゃないか


自由詩 ニラ茶アバ茶さぁどっち Copyright 虹村 凌 2007-02-02 14:57:01縦
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