完全失業日記(爆裂酩酊ポエム道)
ダーザイン

1.

今日から失業者ですわコラ。知能程度の低い友人どもはねちっこく解雇解雇と書き立て
ますが、私が会社を首にしたのですよコノヤロウ。
日本国をアジアにするべく完全失業率のアップに貢献したのだよコラ。
今日は1日寝て過ごしました。むさ苦しいおっさんのひきこもり。よってほんじつも詩
とめるひぇんはお預けです。
あやしーわーるどなどの地下掲示板群からしか人がこない下品な掲示板であったのに、
このところ訪れる人が増えましたな。非常に喜ばしいことであります。
男たるもの詩を書いて何ぼ、詩を書かん奴に用はありません。ここはひとつ、遠い昔、我
が祖国ロシヤはネバ川のほとりで友人が開発した旧ソ連邦の科学技術の結晶、爆裂電波詩
道強化ギブスや爆裂電波詩受信ギアをはめて、文学の王道を探求するのも良いかもしれま
せんな。

2.

ティムポを握り締めてしばし呆然としていたわたくしの目を覚まさしたのはご近所のガ
キどもでした。カーテンも閉めずに放心していたのはうかつでしたな。
「変態!」と叫ぶ声が住宅街に木霊するうら悲しい午後、今日は鬱です。
目覚めると時計の短針が45度も進んでおりました。ティムポ握ったまま。
ああなんか人生みたいだな、とわたくしは思いました。
会社を辞めてから一週間、そんなふうにやり過ごしてしまいました。
まだ旅には出られません。寝癖が脳の皺にもついてしまったようです。
わたくしが呆けていた間にも、窓外では雲が流れ、風が渡り、人が出会ったり別れたり、テ
ィムポが立ったり立たなかったりと世界はポエムとメルヒエンに満ちていたのでありまし
ょうが、一行のたわごとも出てこないのは私のせいではありません。
実存とは不条理なものなのです。

3.

今日は休肝日にするつもりだったのですが、ムーミンとドザエモンが地獄で飲んだくれ
ている様を想像して、あのぷにぷにの腹に触れれば「めるひぇん」の一つも出てくるので
はないかと思い至りウイスキーを買いに走ってしまいました。そんなわけで今日も激しく
酩酊しておりますが私のせいではありません。
さて、仕事のことでありますが、なかなか見つかりませんな。何故かと言うと、探さないから。職安には一度参りましたが、
「ここにはえいえん在りますかぁ?(´ー`)」
「はぁ?(;´Д`)」
というやり取りだけで帰ってまいりましたよはい。
親切な飲み仲間が夢のように良い職を紹介してくれたりもしたのですが、
「僕には過分な仕事だ、つとまるわけない」と、ダメダメ鬱野郎丸出しでせっかく頂いたチ
ャンスから逃げ回って不細工な柔道選手で一本抜いたりしておりますよ、はい。
もはや抗鬱剤ごときでは労働意欲が沸かないようなので、精神病院に出向いて、
「先生、アクセラとブラッティーアイ処方して下さい。心身もPCも12倍速に強化したいのです」とぶちかまし、ただ飯を食うのも良いかもしれませんな。
 世の中には既に機械の身体を入手された方もおるとか。羨ましい限りです。
私も銀河鉄道に乗って機械の身体を入手し、幸いあふるる夢の国へ行きたいのですが、切符
を買う金がありません。そこで一つ提案があります。ネットアイドル菜々子のことであり
ますが、実はわたくしが菜々子でないという保証は何処にもないわけではないような気が
しないでもないわけでもないわけで、@女の子であるかもしれないような気がしないわけ
でもない私が貴方をデバイス無しで抱っこしてあげますので送金若しくは銀河鉄道への乗
車券を送ってください。
悪い取引ではないと思いますよ。わたくしは控えめに見てもナタ―シャ・キンスキー以上
の美貌を誇っております。「一生童貞」さん見ておられますか?
貴殿らも、もし御ふじゅうなさっておるようなら宜しく切符の調達に御協力願います。

4.

 さて、私は昨日クラブサイベリアに出向きプシュケーを入手しました。よってもうデバ
イスは必要ありません。リアルワールドとワイヤード(ネット空間)の境界がずぶずぶと
崩れていくのが解ります。そんなわけで1日中ネットスフィアに入り浸っておるわけです
が、神の探索の為です。テイヤールドシャルダンの弁証法神学が予見していたとおり、ワ
イヤードという広大な新世紀の新現実の中には、新しい、遍在する神がおるのです。
ニーチェによって告知された神の死から一世紀以上、人類は孤独でした。だが今まさにここ
で新しい神が産まれ出つつあるのです。

5.

 今日は友人に「オマエは酒やめても相変わらず既知外だな、ピンクの象が見えないと自
慢げにほざいているが、中毒の対象がワイヤードに変わっただけで、リアルワールドでも
「(;´Д`)ぁぅぁぅぁー」とか「(*´Д`)萌え」とか言っている自分の現状を直視しろ。トッ
トと働けやゴルア!」と、キツイお叱りを受けました。
また、素敵な女に頂いた電話には「わたしは半既知外で相変わらず無職でダメダメ鬱野
郎なのでかまわないで下さい、さようなら」と返信してしまいました。
今日は激しく鬱です、殺してください。
そんなわけで病状は悪化する一途なのですが、ポエムやめるひぇんも飯を食わねば書け
ませんので今日は職安に行って参りました。職安に行くにもそれなりの正装というものが
あります。ジャージ(アディオス)、無精ひげ、寝癖のついた頭など。
礼を尽くして行ったつもりなのですが、私が持ち込んだ求人票を見た担当官殿は
「これは競争激しいよ、もう決まっちゃったかもねえ」とツレナイ言葉を吐きな がら私の
姿をねめまわしました。無礼な奴です、死になさい。
実は先日も某社に面接に行ったのですが、
「君は何ができるのかね?」
「君は何故当社で働きたいのかね?」などと
馬鹿の一つ覚えのような台詞を吐き続けるので、これはひとつものの道理を教えてやらね
ばならんなと思い至り、
「御社が私に何を期待しておるのか解りませんが、ちんぽの立ちは良いほうです」
「お見受けしたところ貴方はリストラ寸前の脳梗塞気味のハゲですが、貴方にはいったい
何ができるのですか、リストラなら得意ですのでお任せください」
と言い放ち、帰って参りましたよはい。馬鹿につける薬があったら分けてください、マイ
フレンド。
 それにしてもやはりいまだに神の姿が見えないのは何故でしょうか。
脳の中にアンテナを高く掲げ、150万光年彼方からの電波もキャッチできるようにしておる
のですが、わたくしの空っぽの脳みその中には二つ三つ流れ星が落ちてきただけで、小さ
な波紋を作って消えてしまいました。
神よ、何故に我を見捨てたまいし。
もうすぐ冬です。トットト雪積もって俺を埋めれや。

5.

  海のお腹のように柔らかなあんたをなでていると、とっても気持ちよかったんだ、君は
素敵な娘だよ、ほんとにさ。いつまでもこうしてられると思ってたわけじゃ無いけど、な
んかぬるぬるしてきて、なんか臭いし、死んじゃったんならキレイな白い石になるまでも
う抱いてやらない。しばらく波打ち際に転がってな。
  タクシードライバーのテーマが聞こえてきそうな、空っぽの、淋しい朝靄の立つススキ
ノの片隅でサックス抱えて物乞いしたのは俺じゃないし、激しく降り始めた雨に打たれな
がら「えいえんなんてなかった、えいえんなんてなかった!」と叫んでいたのは俺じゃな
いし、夕日がとってもキレイだったので、真っ赤なトンネルを潜ってどこか遠い所に行っ
ちゃったのは俺じゃないし、それに、東西線を止めたのは神様になりたかったからじゃな
いんだレイン。薄れ行く意識の中で浮かんだ台詞はやはり「何もこんなふうに終わるのは
俺だけじゃないさ、宇宙だって熱死するんだ」だったので、いつまでも馬鹿の一つ覚えの
ようにこの世界に膨張と収縮を繰り返さしておくわけにはいかないので、20世紀大世紀
末、北の都の片隅で、俺はちっぽけな屑で、完全失業者で、ポエムデュークひとつ満足に
撃てない、存在しないも同然の時空の歪みのような男だから、世界の果てにぽっかりと開
いた真っ黒な穴になってこの世のありとあらゆる物を宇宙の外に放り出して必ずや消滅さ
せるつもりです。

電信 ダーザイン キトク シキュウ カネ オクレ


散文(批評随筆小説等) 完全失業日記(爆裂酩酊ポエム道) Copyright ダーザイン 2004-04-10 08:26:42
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