チャーリーブラウン
恋月 ぴの

チャーリーブラウンは後退なんかしない
あの頃に踏みとどまっているだけ
英語の勉強になるならと
無理して読んでみたけれど
やっぱし後退なんてしてくれなかった
それがリアルってやつ
細い線で描かれたチャーリーの
いつも不機嫌そうな顔と
スヌーピーは物憂げに頭を傾げ
遠くにあるものと
近くにあるもの
スピーチバルーンに封じ込めてしまったのか
言いたかったこと
言わずにはいられなかったこと
チャーリーが投げつけたボールを
捕らえそこなった僕らの時代
君ならどうする?
そんな問いかけには
黙って小石のひとつも蹴ってみる
無意味なんてことはない
せめて
スピーチバルーンのひとつひとつの重さでも
確めながら
自ら封じ込めてしまったものの大切さに
今年の松井秀樹ってどうよ
だなんて問いかけたなら
後退しようにも後退できない崖際で
拾った仔犬の頭を撫でる



自由詩 チャーリーブラウン Copyright 恋月 ぴの 2007-01-24 23:18:53
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