創書日和「雪」
虹村 凌

死にたい奴から勝手に死ねばいい
と受話器に書き込んだ朝は
乾いた雪が派手に舞い上がっていた
ちっとも積もりやしねぇ
誰かこの世界を面白くしてくれよ

そんな事を言う輩は死んだ方がいい
と受話器に付け足した

人生最終目標は世界制服
と受話器に書き込んだ夜は
乾いた雪が地味に降りてきていた
駐車場の屋上だけに薄っすらと積もる
誰かこの世界を面白くしてくれよ

雪道は滑るけどラバーソールは必須
と受話器に付け足した

今週は雪が降り続けるそうだけど
喫茶店で見た生クリームやアイスクリーム
バケツの中の吸殻や痰カス
ティッシュや肌の上の精子みたいにはいかないみたいだ

業と汚い表現をする奴は死ね
と受話器の向こうから誰かに言われた


自由詩 創書日和「雪」 Copyright 虹村 凌 2007-01-22 15:14:50縦
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