ヘルタースケルター
虹村 凌

準備なんてしないでいいよ
きっと突然に現れるから
準備なんてする暇も無いさ
きっと突然に現れるから

44口径も要らない
もっともっと小さな鉄砲で
たった一人のヘルタースケルター
白黒つけちゃおうぜ
まるで滑り台を転がるように
真っ逆さまに墜落させてやるから
44口径も要らない
もっともっと小さな銃で
二人だけのヘルタースケルター

誰かが誰かを裁くなんて馬鹿げてるけど
ちょっと我慢がならなくなっっちゃってさ
どうにも赦しがたい気分になっちゃってさ
だからごめんね
別に深い意味は無いんだけど
懺悔の言葉を聴きたいのさ
泣いて喚いて悔やめばいい
その顔が恐怖に歪めばいいんだ
這いつくばってブーツにキスすればいい
そうすればヘルタースケルターは終わるんだ
白黒ついちゃえばそれで終わり

だから始めようよ
二人のヘルタースケルター
舞台も照明もいらないよ
台詞も何も無いんだ
準備なんてしなくていいよ
突然に現れて
真っ逆さまに堕ちていけばいいんだ
ヘルタースケルター
たった二人のヘルタースケルター
滑り台を転げ落ちていくんだ
そう
ヘルタースケルター
ぐるぐると後悔しながら


自由詩 ヘルタースケルター Copyright 虹村 凌 2007-01-17 15:33:08
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