月を詠むひと
Rin K




あなたはためすように
月を詠むのです
椿の花が落ちる夜に
闇から色を分かてるのか
ためすように
あなたは月を詠むのです

くれなゐは
いつぞの契り
くれなゐは
今わにみせる
いのちのあかし

あざやかなままに
なお恨むのですか
凍れるままに
なお悔いるのですか

片方のてのひらで
すくえる大きさに
椿はとけて
この身体を流れ出す
うつろに鳴るは
めぐるだけの虚しさ
ただここでひとり
あなたの詠む
月と聴くのです

椿の花が落ちる夜に
あなたはためすように
月を詠むのです
わたしを―――






自由詩 月を詠むひと Copyright Rin K 2007-01-16 23:38:59縦
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