星屑の記憶
アマル・シャタカ

人がなぜ目を持つのか
明確な答えはない
愛するものを見るためか
憎むべき相手を睨むためか
どちらにせよ人は
目に見えるものに縛られる
本当に大切なものは
目に見えるものではないと知りながら

流れる星を見ては儚さに想いを馳せ
その瞬きのうちに己が願いを込めて
顔に刻まれた皺の数とは裏腹に
消えていく思い出という名の記憶

心が壊れたといいながら
その欠片を集めて抱いて
今日も私は生きていく
あなたのいないこの世界で
世を怨む声がする
泣き叫ぶ声が聴こえる
悲しみの声が満ちたこの世界で
今日も私は生きていく

悲しみの裏で笑うものがいて
楽しむものを見て憎むものがいる
心そのものの終着駅を
誰が見つけられるというのだろう
ただあなたのぬくもりだけが
暗闇の中の灯台のように
私を照らした日々があった
それは終着駅ではなかったけれど

星空が堕ちて来て
世界をその輝きの中に留めてしまえれば
どんなにか楽だろう
地を震わせて歌う声が宇宙を蒼く染めあげて
過去も未来も現在さえも一つに合わせられるなら

あなたのいないこの世界で
私は生きていく
あなたのいないこの世界で
私はそう
生きている
悲しみの星が降り注ぐ
不確かなこの世界で


自由詩 星屑の記憶 Copyright アマル・シャタカ 2007-01-15 00:39:23
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