*昼の月*
かおる


みちてゆく時にかけていくかたち

目もあわせられない圧倒的光量が
静謐な夜をペリペリと剥がすと
空が蒼く、色づいていく

日常の目紛しさに溺れそうになりながら
ビルの谷間を靴の音を響かせ
息継ぎいらずの背泳ぎで渡る

雲もないあおに、ぽつん
真昼にレース編みの月、ひとつ
透けて見えたのはあたしの、

みちてゆく度にかけていく


自由詩 *昼の月* Copyright かおる 2007-01-14 11:08:06
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