旅先にて駱駝の口を臭う。
もののあはれ

エジプトに行った。
二週間行った。
世界遺産ピラミッドの佇む地ギザでは。
乗ろうとした駱駝の口が超臭かったから。
気持ちが萎えて結局乗らなかった。
駱駝は怒ったのかツバを飛ばしてきて靴についた。
旅行中しばらく臭いが取れなかった。

インドに行った。
一ヶ月行った。
インド第三の都市デリーでは。
おばさんが野良牛(向こうで牛は神様。)を
木の棒でバッチンバッチン叩いていた。
売り物の青草みたいのを食べられたかららしい。
じっと見てたらおばさんに睨まれて怖くて家に帰りたくなった。

タイに行った。
一週間行った。
タイのリゾート地パタヤーでは。
ムエタイの達人の様な体躯のオカマちゃんに迫られ逃げた。
そしたら全力で追っかけて来て捕まった。
僕の落としたタオルを笑顔で渡してくれた。
心は許したがやっぱり身体は許さなかった。

イタリアに行った。
三週間行った。
ローマ法王が暮らすバチカンでは。
ワインの飲みすぎで立ちションしてたら警官に囲まれた。
ドベバーニョ(トイレはどこですか?)と連呼したら許してくれた。
もう用は足した後だったのだが。(ほんとにごめんなさい。)

ケニアに行った。
一週間行った。
首都ナイロビのスーパーで買い物したらスキミングされた。
マサイマラで会ったマサイ族のジャンプ力は僕と五分だった。
BBQレストランで駱駝の肉を食べたら硬かったが味は良かった。
エジプトの駱駝のツバみたいに臭くはなかった。


旅先で一番印象的だった出来事を思い出してみた。
旅行中は結構チクショーと思う事もあるけれど。
珍道中ほど帰ってくると楽しかったなあと思い出す。
旅ってやっぱり素敵だなと思う。
でも駱駝の口はとても臭いです。











散文(批評随筆小説等) 旅先にて駱駝の口を臭う。 Copyright もののあはれ 2007-01-13 18:31:48
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