眠りについたきみのそばを
みつべえ

眠りについたきみのそばを
顔も名前もないものが通り過ぎる
祝福のように

ほしかったのは
花でも香料でも焔でも雷鳴でもなく
星をちりばめた苦悩のようなもの

「悲しみを盛る器」
いのちこそが きみを滅ぼすだろう

貧血した薔薇のなかで
はぐくんだ孤独のちから
けんめいに ふりしぼり

ぼくは ぼくを笛のように吹いた


自由詩 眠りについたきみのそばを Copyright みつべえ 2004-04-06 21:07:17
notebook Home 戻る  過去 未来