ささやき
三条麗菜

私は時々
雑踏の中へと
足を運びます

人々の声と
足音と
それらのざわめきから
あなたのささやきが
生まれてくるようで

太陽の熱で
大地から水蒸気が昇り
その粒は集まって雲になります

時に雲は
猫やイルカなどの形を作ります
それは偶然ではないのだと
小さい頃から思っていました
私が見つめていて願うから
その姿になるのだと

あなたの声はきっと
ざわめきの中から
ささやきとなって
聞こえてくるでしょう
雲が形を
作るように

そして
ふと気がつけば
あなたがすぐ後ろに
立っていて
そして本当にささやいて
くれるでしょう

待った?

ええ
とても長いこと


自由詩 ささやき Copyright 三条麗菜 2007-01-12 23:41:41縦
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