ボイジャー
ダーザイン

どこか遠くの知らない国で
雪がしんしん降っている

大きな街の片隅で
人と人が出会う

どこか遠くの知らない街で
風がヒューヒュー吹いている

大きな街の片隅で
男がひとり
生きる望みを見失う

遠くの山の向こうでは
桜草が咲き乱れ
子供たちの明るい声が
光射す野にこだまする

明日も今日と同じ一日

遠い異国の丘の上では
男がひとり
狙撃主に打たれる
神さまに
家族のことを頼むいとまもなかった

遠い島の波打ち際で
男がひとり船を出す
夕暮れの海に
静かに櫂挿し
どこか遠い所へ
ここではないどこかへと

冥王星の向こうでは
寂しい目をした航海者が
出すあてのない手紙を書いている


自由詩 ボイジャー Copyright ダーザイン 2004-04-06 16:09:55縦
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