冬 一
「ま」の字

陰鬱に晴れた岩場に
大きなバッタがしんでいる
白雲飄々と去来し 大地は黙し
どうにも
雲間の
空が あおイイ

「ふん、
 空気掻き分けるで からだぁ 冷えるヴァ」

ガッシリした羽根、脚、顎、頬、鬚。
どこからか集まってきて
大仰にアオ向けた死骸から
勝手に持ち出しては家など建てる
(慣れた手つきで切断するこいつら見ていると
 不意に奥からコみあげてくる
 俺は 俺らは ゆびのさきまで気味わるい )

盗人どもが去ったあとも
巨大なバッタはしんでいる

死につづけている

 うごきそう

ゆっくりと冷えソヨともせず
すでにひとタら一人居ない平原

が広がっている


自由詩 冬 一 Copyright 「ま」の字 2007-01-07 22:19:32縦
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