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2009 05/25 11:54[311]
ふるる

『こんな日本でよかったね 構造主義的日本論』内田樹著 
を、読みました。
「生きてくれさえすればいい」という章を読みました。その中で、
「『生き延びる力』と『金を稼ぐ力』は私たちの社会ではイコールに置かれてい」て、
「ごく例外的な歴史的条件下でのみ有益である『金を稼ぐ能力』の開発に教育資源のほとんどが投じられることになった」
とありました。
だから少し前までは、高学歴=高収入という図式があって、皆受験戦争などをしていたわけですが、今は違うよね。学歴神話も終身雇用神話も年功序列神話も年金神話も崩れた。そういうのは、人々がマネーゲームに走らず、誰かがズルして巨万の富を独り占めしたりしないという時は保たれていたんだけど、そうじゃなくなっちゃった。これからは「職業をあまり選ばず、そこで楽しみを見出してニコニコ素直に働ける能力」「低賃金でもやりくり上手、コミュニケーション上手でうまいこと助けられたり助けたりしていける能力」「図書館で本さえ読めれば幸せ〜みたいな、お金をかけないで幸せになる能力」を磨くために、親は子どもに投資するのが必要なんじゃないかと。一番いいのは投資じゃなく、親がそれを実現している姿を見せればいいんじゃないかと思うけど。
・・・思うけど、「それほどお金がなくても大丈夫」と言えるためには、まず、色んなものにお金をかけてみて、「思ったほど楽しくないもんだな」と実感せねばならないのです。それとか人とは「無駄に買って無駄に捨てたい」みたいな無駄な欲望や、持ってないものを一度は持ってみたいという欲望があり、それを手なづけるのは大人でもむつかしい。今はまあまあ安全な世の中ですが、生きるってことは、昔も今も意外に難しいものです。sage