ふるるさんのプロフィールBBS
2009 02/25 15:50[274]
ふるる

『村上春樹にご用心』内田樹著と、『村上春樹、河合隼雄に会いに行く』河合隼雄、村上春樹対談
を、読んでいます。
村上春樹作品を読むと、すっごく損した気分(読んだ時間返せ〜!)になるのは何故・・・?と思って。次期ノーベル文学賞かと噂されている作家の作品を嫌いとは悲しいことです。村上ファンである内田氏はこう書いてます。「村上春樹はその小説の最初から最後まで、死者が欠性的な仕方で生者の生き方を支配するということについて、ただそれだけを書き続けてきた。」それと、「村上春樹は、人々が『邪悪なもの』によって無意味に傷つけられ、損なわれる経験を淡々と記述し、そこに『何の意味もない』ことを、繰り返し、執拗に書き続けてきた」
なるほどー。私は小説は現実逃避の道具と思ってるから、わざわざ現実を見せ付けられるのは嫌だってことなのかな。あと、文章もどうにもこうにも肌に合いません。「あまりぱっとしないセックス」とか「100パーセントの女の子」とか、微妙に女子をバカにしてるような気がしないでもない。比喩もねっとりこってりしてる。
対談の方は、普通に面白かったです。うっかり「ねじまき鳥クロニクル」を読みたくなったけど、どうせまた嫌な気持ちになるんだろうな・・・。しかし、村上春樹はフランツ・カフカ賞を獲った時に、カフカの言葉を引用して言いました。「本は自分の内部の凍った海を打ち砕く斧でなければならない」と。不愉快な本こそ読め、ってことかしら。sage