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2009 01/21 09:35[255]
ふるる

ジジェク・・・

『スラヴォイ・ジジェク』トニー・マイヤーズ著 村山敏勝訳 を読みました。
現代哲学を調べたりしていると、必ず出てくる名前なので読んでみようかと。ガイドブックですが、ガイドブックですら難しかった・・・。
ジジェクは現在もどんどん書いて出版している哲学者だそうです。これは新しい!と思ったのは、ジジェクの言う主体とは、形のあるものでなくて、空っぽの空間のようなもの。そこに言葉が入って、どうにか「世界」と「自分の体」をつなぐけれど、それは生身の、素の、言葉を介さない状態での「自分」ではない。引用しますと、「ラカンが言わんとしているのは、主体は言語によって取り返しのつかないほどに裂かれ、ばらばらにされているということなのだ」すごいこと書きますねえ。さて、言葉を介して認識している世界のことを「象徴界」と言うのですが、行為によって象徴界は一時的になくなるらしい。そしてその後は、違う主体(自分)に生まれ変わっているらしい。一時的に頭で考えるのをやめる、ってことかな?前に、『心は体の外にある』という本を読んだのですが、それには、「自分を変えたければ周りを変えないと・・・」ということが書いてありました。けど、周りを変えたからといって、「望み通りに自分を変える」ことはできないのかも。と思いました。生まれ変わった後のことを、自分では選べないように。逆に、何かを変えたくて、極端な行動に出る人もいますね。主体は、ポスト構造主義で言うように言葉や社会の操り人形ではないけれど、昔の人が考えるように自分の思うとおりに操作できるものではない・・・。
あと、「男女」というのは、性的関係をうまく象徴化できなかった証なんだって。つまり、そういう関係のわけのわからなさを無理やり言葉にしちゃった結果が「男」「女」ということらしい。性的関係は、最初から二分できるものではなかったんですね。もしや、何かについての言葉がある、というのは、「なんかよくわからんなあ・・・気になるなあ・・・」と人が思っている証なのかも。気になってしょうがないから付箋はっとく、みたいな。
あと、差別はなくすのが難しい、なぜなら差別は「○○がなければ社会はよくなるはず」という思い込みからくるものだから。「社会はよくなるはず」という思い込みがある限り、排除すべき○○という差別の対象はなくならない。とか。これは分かりやすかった。sage