ふるるさんのプロフィールBBS
2007 11/16 16:02[160]
ふるる

与えられたものを受け入れて生きる、ということ。
「わたしを離さないで」について、作者はインタビューで、「人間が自分たちに与えられた運命をどれほど受け入れてしまうか」ということに興味がある。と言っています。
そう、受け入れてしまう。例えば残酷な仕事、例えば自らを滅ぼす仕事すらも受け入れる。命令とか、立場とか、食べ物欲しさにとか、そういう価値観しか持っていないとかで。しかし、人生というのは元々、「いつかは死ぬ」という動かしがたい残酷(?)によって作られているもの。それを生きている時点で、人というのは状況や環境に関わらず、「残酷」(というか、あることをまるで存在しないように振舞えるという能力)を持っているのかもしれない。死をいつもいつも意識していたら、生きるのが虚しいという風になってしまう。だから、それから目をそらせる。けど同じように、人の苦しみからも、自分の苦しみからも、目をそらすことが、できてしまう。ほんとは良くないことなんだけど、なんか、できてしまう。「どうしてあんな酷いいじめに誰も抗議しなかったんだ」「どうして女性の権利をもっと主張してこなかったんだ」「どうして戦争なんか起こしてしまったんだ」って後から言うけど、そういうことなのかなって。sage