2015 05/01 13:19[568]
ふるる
西條八十の詩論
全集13巻目は詩論・詩話です。
ふむふむと思ったのは、「散文で書けるようなことは詩で書かないようにしている」というのと「いろんな詩があるけど、流行に流されず、自分の信じるものを書いてね」という主旨の言葉。
それから、耳が痛かったのが、「もっと言葉を選びなさい」
「詩の作り方」三、詩の形について…二、自由詩の主張とその功罪
より↓
ところが我国で、自由詩が提唱されて、詩の形の約束といふものが全然撤廃されてからは新しく詩に志す人たちの間に、言葉の彫琢厳選といふことがひどく無視され怠られるやうになった。(中略)
すなはち、詩をつくるには、いちばん大切な道具である言葉の知識をまづ豊富に備へてゐなければならぬ。たとへば「夜明け」を言ひ表すにも「あかつき」や「あけぼの」といふ言葉があり、「ありあけ」「しののめ」「あかとき」「あさけ」「いなのめ」「ひなと」などといふそのほか多種多様の言葉がある。そうしてこれらの言葉は、それぞれその詩の調子に適合する字数の差異を持つばかりでなく、色や匂ひや味ひに於てそれぞれちがった趣を持つものなのである。
(中略)あきらかに、自由詩が詩作法をルーズにしたことから生じた害悪の最大なものである。
言葉の知識…詩を書くときは、もちろん言葉を選ぶけど、語彙を増やす努力ってしてないな…ダメだな…。