2014 07/20 17:57[535]
ふるる
『カウントダウン・メルトダウン』 船橋洋一著
読みました。図書館に予約してたので、下巻だけ先に。原発事故の時、東電・国・アメリカの誰が何をしていたのか詳しく書かれています。
一番驚いたのは、原発がテロ対策をしていなかったということ。9.11の後でさえ、
「自衛隊も警察も消防も原子力安全・保安院も原子力安全委員会も、核セキュリティーを自らが主として責任を担っているとはみなしてこなかった」ってええー。そこはみなして欲しかった。税金を一体何に使ってたんだろ。後からなら何とでも言えるとはいえ、テロ対策ちゃんとやっていれば、全電源喪失にもすぐ対応できたらしい。
この本を読むと、原発事故は地震の後の対応が決め手だったのに色んな利権と責任逃れが絡み合ってうまくいかず、ああなった。だったのがよく分かる。それでも最悪の事態にならなかったのは上手くいった対応もあったし、神のご加護としかいいようがない所もあったと、関係者は言っていて。
責任逃れや権限争い、そういう大企業・政治の体質が変わらない限り、同じことは必ず起こる。でも、体質っていうのは、変えられるものなの?一度権力を握ったら手放せないという人間の本質なのかもしれなくて、変えられないなら、一歩間違ったら多大な責務を負わされる原発を扱うことは無理と思われるけど…。
「九州電力の更なる安全性・信頼性向上への取り組みについて」というPDFを読んだけど、設備の強化や災害訓練・支援班の設置も大事だけど、緊急時に誰がトップとなって指示するのか、いつ国のどの省庁が責任持って介入し、避難範囲決めたりするのか、ちゃんと決めてるのかしら…?原発再稼働しないと経済損失100億円とか言ってるけど、メルトダウンしたら100億どこの騒ぎじゃない。