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2014 03/15 23:33[515]
ふるる

最近読んだ本

『氷』『愛の渇き』『アサイラム・ピース』アンナ・カヴァン著

一言で言うなら「拒絶の文学」という感じ。登場人物がひたすら世界に、人に、拒絶されまくる。『氷』は、氷河期?の迫る終末世界で、銀灰色の髪を持つアルビノの美少女をひたすら守りたいと追い続け、ひたすら拒絶されるお話。氷の世界の幻想的悲劇。『愛の渇き』は一方通行な愛が沢山。『アサイラム・ピース』はすごく短い短編集ですが、その中の「痣」という話が良かった。短いけど、心に残る。じわじわくる。
これらのお話、つらいことをつらいままで生きることを淡々と描いています。なんかそこがさばさばしてて良い感じ。文章は詩的で美しさがあります。

『ハローサマー、グッドバイ』マイクル・コーニー著
SF恋愛ものということで読んでみました。反抗期まっさかりの少年のある夏のどえらい出来事。恋愛…は相手の女の子がぐいぐい来過ぎでうまくいきすぎ。もうちょっとじれったいのがいいんだけど。少年には戦争・環境がらみのどえらい事実が待ち受けてて、そこは驚いたけど、ラストはそんなに驚くようなものではなかった。年を取ると、怪しい伏線は全部にらんで読んでるから…。

『最後のヴィネベーゴ』コニー・ウィリス著
SF短編の名手だというので読んでみました。こちらには中編が4つ。評判を裏切らないうまさ!さらりと入れた伏線が鮮やかに生きる。笑いもきっちり入れてあり、登場人物への優しい眼差しを感じます。SFって簡単に非日常を作り出せてシリアスにもドタバタにもできるから好き。

『タイムトラベラーズ・ワイフ』オードリー ニッフェネガー著
自分の意思とは関係なく勝手な時代に(前後50年くらい)タイムスリップする男性ヘンリーと、その妻の話。うーん、作者のドSロリコン趣味につき合わされたって感じ。勝手にタイムスリップするのでも十分酷いのに、ヘンリーの不幸っぷりがすごい。妻もダンナが突然どっかの時代に行っちゃって、いつ帰ってくるか分からない。未来に夫婦になるとはいえ、43歳の男がいつも真っ裸(タイムスリップする時、服は持っていけない)で現れるのは…嫌だなあ。わが子の成長した時代に行って喋れるのはよかった。sage