ふるるさんのプロフィールBBS
2012 12/05 12:07[474]
ふるる

岡部淳太郎さん第二詩集『生の拾遺』

できたてを読ませて頂きました。とても素晴らしいです。インフルエンザの予防接種の待ち時間に読んだのですが、胸に迫るものがあり、目をしぱしぱさせつつ。

特に好きなのは、「あやとり」「世界中の甥」「萩原朔太郎を喚び出す詩」「雨の納骨」「とどける」「雨になる前に」でした。
「あやとり」は同人誌の合評会でもみんながため息をつくほどでよかったんです。大切な人が亡くなって、その記憶がどうしようもなく薄れていくのを悼む。自分は生き続けなければならないのがひどい。でも暗い感じではなくて、妹さんへの愛情に溢れている作品です。
「世界中の甥」はもうね、男の子が苦労してるってだけで涙が出る。その上カブト虫を探してあげようって。カブト虫ですよ。夏の、明るい、幸せ感いっぱいのあの。ほんと見つけてあげたい。

第一詩集『迷子 その他の道』は深い孤独を感じたんですが、第二詩集は、大きな包容力を感じました。大切な人の死、失うこと、人々の小さな声。それらに対する真摯さや優しさを感じます。
失うことは抗いようがなくて、そのどうしようもなさに戸惑っている人は「分かってくれる人がここにいる」って思うと思う。

必要とする人の元へどうか届きますように。