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2012 11/04 16:20[470]
ふるる

最近読んだ本

『ユリゴコロ』沼田 まほかる著
ホラーとされている『アミダサマ』が全然怖くなかったので、どうかなと思いつつ読んでみました。怖さは特になし。ラストのびっくりも前半で予想がついてびっくりできず。「家族愛」と言えば聞こえはいいけど、殺人者に対する姿勢として私は好きじゃない。あと、調子よく偶然が起こりすぎ。作者の用意した、「感動のラスト(?)」のためなんだろうけど、それにしてもね。

『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子著
チェスに魅せられた少年の数奇な人生。少年の脳内の友達が次々現実に現れる。ちょっとできすぎ感があります。泣かせ・感動・悲劇エピソードも次々とやってくる。小説はエンターテイメントだから当たり前なんだけど、作者の思い通りに事が運びすぎる。作者は「チェスをする人形を操作する小さい人」のアイディアのために、主人公に障害を負わせ、主人公の師匠の運命を書く。チェスの美しさを書いてはいるけれど、それすらも「チェスをする人形」を書きたいがため。と思えてしまう。話のトントン拍子さが、私を果てしなくしらけさせる・・・。

最近の小説読んでて思うのは、超人、聖人君子、狂人、しか出てこないなあ。ということ。みんな、作者の操り人形としてカクカク動いているだけって感じ。人ってもっと、色んな面が複雑に混ざっていて、ささいなことでつまづいたり、悩んだり、自分の思うとおりに自分をコントロールなどできない生き物だと思うんだけど。作者は話の筋をなぞるのに忙しくて、そういうの面倒だから書かないというサボりを感じる。今日び、一部のラノベや漫画の方が複雑な内面を書いていると感じる。sage