2012 04/17 23:38[432]
ふるる
『これはペンです』円城 塔
面白かった。『道化師の蝶』と同じく、発想や知識がポンポンと置物のようにある感じ。あとはご自由にどうぞ。と言っているみたい。こっちの方が登場人物に面白みがあって、読み進めるのが苦じゃないです。もう一つの短編「良い夜を持っている」は、発想が素晴らしいですね。無限の記憶力を持つ父親は、頭の中にもうひとつの都市を持っている。自分の空想も交わるその都市で、妻や子供たちと繰り返し出会う。現実では断絶している親子の関係が、そこでは繋がっている。いまだかつてないメルヘンの予感!どちらも、書く、読む、言葉で何かを作っていくことの無限の広がりとワクワクを思わせてくれる。