2010 08/15 23:47[384]
ふるる
『アメリカ現代詩を読む』金関寿夫
も、読んでいます。……とある蛙さんのお勧めです。こちらは、詩そのものというより、詩人の人物に迫りつつ、詩も語るという感じです。エズラ・パウンドはすごく面倒見のいい人で、イマジズム運動も後からやってきて先頭に立っちゃうような人なのに、人間的にはあんまり尊敬できない人だったんだー。でも、ギンズバーグが晩年のパウンドに会って、いろいろ喋ってて、パウンドが「私の最悪のまちがいは、あの了見の狭い反ユダヤ主義だよ」と言って、ギンズバーグが「ああ、あなたからその言葉をきくのはすてき(lovely)だ・・・」と答えたとか。後悔している人を下手になぐさめるよりlovely。あと、アメリカ・インディアンの詩についても、初めて知りました。著者の文体も中々サービスがきいていて、「まさに驚天動地のことといっていい」とか「むしろ敵は本能寺にある」とか、ね、読者を飽きさせないようにという心遣い。
もう一個、あううと思った一文を。
「たしかサルバドール・ダリが言った言葉につぎのようなのがある、『<彼女の頬はバラのようだ>と最初に書いた男は詩人だったと言えるかもしれない。だが二度目にそれを書いたやつは、ただの莫迦者だ。』同感である。」
莫迦決定・・・orz
sage