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2008 02/21 23:30[178]
ふるる

「フィネガンズ・ウェイク」という本を

読もうと思い立ち、借りて開いてみたら漢字ひらがなカタカナさらにルビの洪水で、すごいこってりでした。とんこつラーメンの上にステーキと牛丼が乗っかっているようです。
もちろん意味も不明だし、だめだーと思い、訳者が書いた「フィネガン辛航紀」とパロディの「船が州を上へ行く」(清水義範)を借りてきました。
それで分かったのは、作者のジェイムズ・ジョイスという人は、終わらない本を書こうとしたんだなと。終わらないで、一語一語が開かれている、続きがある、というの、入沢康夫の「わが出雲・わが鎮魂」に似ているなと思いました。あれは、詩の巻末に、その中の語に関する注釈がすごくいっぱいついていて、一つ一つの言葉は歴史を背負っていて、どこにでも開いてるんだと思わせる。
「フィネガンス・ウェイク」の最後は、まるで続きがあるように、theで終わっているらしい。それってすごい好き。
「この言葉には、この意味とこの意味とこの意味をもたせて、これとこれとこれを連想させる音にした」っていう訳者の意図は説明されないとさーーっぱり分かりませんが、訳するにあたってあてられた川の名前だけ見ても膨大で、とにかくすごい。天才か、おかしい人なのか。
あと、漢和辞典で古い漢字をこれでもかと言うくらい調べて使っているから、今まで日の目を見なかった漢字たちは喜んでいることでしょう。
でも読まないかも・・・ちらっと遠くから眺めるとか。こってりしすぎ・・・。
パロディは面白かったです。「柳瀬買いである」(やな世界である?)と訳者を褒めつつ嫌味入りの文があったり、原文と同じくtheで終わってたり。sage