たとえば君ならどうだろう、

少しだけ違った感触をしている。僕の中では水玉の、つまりあの時待ち合わせていた噴水、その縁についた水滴の、イメージ。擦り切れるほど繰り返し見たビデオテイプの、その中の青い猫型ロボットと、その中の、世界。東京は宇都宮、そのまた先は宇宙かハリウッド。毎朝顔を合わせるのは親代わりの猫。手のひらに付いた猫の毛をズボンに擦り付けた。祖母と座る古びたテーブル。アップルジュースこぼして叱られる。たぶん最近燃えて無くなった隠れ家。台風の夕方に駆り出された友人。すべてとその先に付いて来てしまった背景。

たとえば。