Lucy
現代詩フォーラム主催者の片野晃司さんに尊敬と感謝を申し上げます。


思うところあってハンドル名を変更しました。

探してくださった方ありがとうございます。
見つけてくださった方、こんにちは。
改めましてどうぞよろしく。

ルーシーという名前の出典は14歳のとき読んだウィラ・キャザー著、「LucyGayheart.」という小説です。



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[85]Lucy[2021 10/02 16:32]
ベンチよりも
ブランコがいい

想いきり漕いで空まで行けるかと錯覚し
失速して引き戻される

そしてまた反動で舞い上がる
思いもよらない高さまで

雲梯をコツコツのぼる握力も根気もなくて
鉄棒にも嫌われ
すべり台にも飽きられて

風に揺れる ブランコ
 

[84]Lucy[2021 09/12 21:00]
周りのみんなが眠っているのに自分だけが目覚めている夢を見た夜
揺り起こそうとしても誰も返事をしてくれない
窓の外で陽射しだけが明るい
いびきが響くま昼間の午睡
眠っている大人たちの間に身を横たえて
目を閉じてみるしか術がなかった
もう一度目をあいた時
本当に目が覚めますようにと願いながら
 

[83]Lucy[2021 08/30 21:39]
ホームで見上げる架線の五線譜に
トンボの音符が泳いでいる
雲のト音記号のとなりには
黒いカラスの休止符が舞い
壁の時計はフェルマータ
パンタグラフはデクレッシェンド

発車を告げるアナウンス
エコーがかかるビブラート
レールの継ぎ目はメトロノーム
切れ切れのリズムを緩やかに刻む

出発の朝は 秋がいい
耳の奥の澄み渡る空に
好きな音楽が鳴り響くような
 

[82]Lucy[2021 08/27 20:58]
世の中にはサンタクロースも魔女もピーターパンもいなくて
どうやら我欲に取りつかれたお金の亡者ばかりがかっぽしているらしいと気づいたころ

「お前のような卑怯な人間は見たことがない
お前は嘘つきでいい子の仮面を被った偽善者だ!」と、
担任の教師に罵倒された

その時は本当に私を信じて
期待してくれていた先生を裏切ったのだと思って自分を責めていた

でも今ならわかる先生は私のような優等生がぼろを出すのを待っていたのだ
はじめから嫌いだったのだ

それさえわかっていればあんなに苦しまなくてもよかったのに
でも私は人生において最も大事な気付きを得たのかもしれない

自分は優等生の仮面を被った偽善者だと
 

[81]Lucy[2021 08/24 20:46]
川辺で凹んだサッカーボールを見つけた
泥に汚れていたので水際で洗った
すると驚くほどつやつやと輝きだした
それは幼い頃に亡くした僕のボールだった
日に当てて乾かすと次第にへこみが膨らんできて
まん丸になったそれは
若いころ抱いていた理想だった
僕はそれを地面に置くと
数歩下がって助走をつけると
つま先に力を込めて蹴り上げた
川の向こうのゴールポストに向って
鮮やかな弧を描き
僕の理想は飛んで行った
 

[80]Lucy[2021 05/11 22:37]
14歳の頃心から信じていた先生が言った
「今君には無限の可能性がある」
「でも君がそのうちの1パーセントの可能性を選択した俊寛に、残りの99パーセントの可能性を失うことになるんだよ」
それは冷酷無残なけれども冷静で客観的な現実認識に想われて
それからずっと
私は一つの扉を開けて一歩を踏み出すたびに
閉じられたまま永久に失われた他の99の扉のことを思った
そしてだんだんにちじこまっていく空の下で
痩せて狭まっていく道をとぼとぼと
心細く歩いてきた

でも今になって思うのです
あの先生は間違っていた
空一面に並んでいた無限の可能性という扉は

おそらくどの一つを選択したとしても
同じ空に続いていたに違いない
途中で戻ることも
違う扉を開けてみることだってできたのだ
細く狭まっていく道を歩いてきたのではなく
その時その時の選択が賢かったとか
愚かだったとか
遠回りだとか近道だとか
多少の違いはあったにしても
間違っていたとか取り返しがつかないとか
逆に正解だったとか
最善だったとかそんな定規で測れるものではなく
残りの99パーセントを失ったのではなく
常に与得られ続ける可能性だった
先生
扉は消えないし
どの扉も私は開けることができる
二度と戻れないとあなたが予言した
少女の時代にだっていつでも戻ることができる
再びあなたに会うために戻ることは
きっとないけれど
 

[79]Lucy[2021 04/26 23:06]
「今日こそ書こう」とか、「書かなくちゃ」と思わないことにしよう。
そう思えば思うほど、他のことをしたくなってしまうから。そして今日も書かなかったことを、寝床に入ってから悔やまなければならないから。
急がなければ、大事に濃く生きなければ、もう時間がないのにだなんて思わないようにしよう
書こうと思わなくたって、ふっと書かされることがあるんだから。
すっかり目が覚めてしまってもう夢が見られなくなってしまっただなんて思わないようにしよう。もしそうだとしたって、長年の悲願が叶っただけのことなんだから。もう一度帰りたい場所とか一度でいいから行ってみたい国だとか、死ぬ前に一目会いたい人とか、誰かに伝えておきたい言葉とか、そんなもの何一つ思いつかなくなってから死ねるなら、それはむしろ平安というべきものかもしれないし・・なのになぜなにを追い求めて走ろうとするのか、羽などないと解っているのに,飛ぶことを模索するのか縁側の座布団の上のひだまりにまどろむ猫のような幸福がすべてとわかってしまったのに・・
 

[78]Lucy[2021 04/19 00:09]
ごめんさい。目が痛くて、画面一杯に詰め込まれた文字をよむのは、辛くなってしいました。
 

[77]Lucy[2021 01/19 20:49]
地下牢へ下りる階段を見つけられない影たちが
明け方の薄闇にたむろして
逃げ惑う夢を見せたりするので
もうないはずの路地裏を
割れて半分埋まった甕の底や
捨てられた祭りの衣装が散乱する
廃墟のような裏道を
やみくもに走る
風もないのに
揺れる七夕飾りを下げたアーケード
どの店のシャッターもおりているのは
早朝だからか
そこがすでに終わった時代の街だからなのか
家電量販店のチラシが雑に折りたたまれて
壊れた自動扉の隙間に挟まっている
そこのわずかな道から風が
建物の内から外へと
吹いている
躓かないように転ばないように
地面の凹凸を凝視しながら
君は急ぎ足で来た道を戻る
戻ろうとすればするほど
見覚えのない背景が
芝居小屋で見た大道具のように
次から次へと立ち上がるので
君は道に迷っていると気づくのだ
はじめから覚えていないセリフを思い出そうとするように
君は棒立ちになる
ふいに誰かを呼ぼうとして
 

[76]Lucy[2020 11/25 20:14]
もがいて水面から顔を出す
ように息をするかろうじて
ポジティブ思考
が大事です
足首に錘
つけられても
まだ笑えます
夢も見れます
今日一日を楽しみに
起き上がります
階段をおりていきます
コーヒーは体を冷やすそうなので
白湯にしました
分析しません
情報はあてにならないから
信じません何事も
バイアスのかかった頭で
極力楽観視
誰からもコントロールは
されていません
いないはず
感染予防は自分で対策しています
免疫力は高めています
感染経路がわからないなら
自粛したって
防げないでしょ仕事場に
たくさんの人が来る
アクリル板にわざわざ触る人がいる
トレイを手でつかんで押してくださる人がいる
なんでそんな余計なことを
といらっとするけど顔には出さない
百均で自分が同じことをした
トレイにお金を載せてつい無意識に
店員さんのほうへ押してあげると
その人が一瞬イラっとするのがわかった
街のあちこちで鏡をみるように
自分に出会う
ス-パーの通路の真ん中でぼんやり立ち止まる人
他にスペースがあるのにその人をよけそこね
わざとぶつかって通る人
そのどちらも私で
憎しみが火花のように飛び散っている
全部私が発信している
 

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