Lucy
現代詩フォーラム主催者の片野晃司さんに尊敬と感謝を申し上げます。


思うところあってハンドル名を変更しました。

探してくださった方ありがとうございます。
見つけてくださった方、こんにちは。
改めましてどうぞよろしく。

ルーシーという名前の出典は14歳のとき読んだウィラ・キャザー著、「LucyGayheart.」という小説です。






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データ
ひとことダイアリー(105)

[91]Lucy[2022 12/24 20:01]
詩のビーズ(221)

図書館で探すと
その本はあった
ページはくすんで
表紙はかなり傷んでいた
きっと数え切れないくらいたくさんの人が
エミリーの詩を読んだんだ
たくさんの寂しい人の
冷えた手が
彼女の紡いだ言葉をなぞったのだろう

エミリー・ディキンスン
もう一度君に会いたい



(2022,12,19)
 

[90]Lucy[2022 12/24 19:59]
詩のビーズ(220)


僕は泣きながら目を覚ます
ベッドからひらりと
降りようとして
背中が軋んだ

ヨロヨロと立ちあがる
いつの間にか
老人になった夢をみている

本棚に
エミリーの詩集はない
この街へ引っ越したとき
捨ててきちゃったんだ
もう 要らないと思って
 
 
(2022,12,19)
 

[89]Lucy[2022 12/24 19:59]
詩のビーズ(219)

彼女の姉さんが見つけて
僕を追い出そうとした
だめよ 妹はアレルギーなんだから

僕は逃げながら叫んだ
エミリー!
僕を忘れたの?

彼女の耳には
ニャーとしか聞こえなかったんだ

(2022,12,19)
 

[88]Lucy[2022 12/24 19:58]
詩のビーズ(218)

揺り椅子に腰掛けていたひとが
僕を見上げた
青い澄んだ目
光る髪
白い服を着て
門の外へは出ないのに
いつも
庭の花や虫や鳥や
木や空と話して

とても好きだった
彼女のうたが・・
 
 
(2022,12,19)
 

[87]Lucy[2022 12/24 19:56]
詩のビーズ(217)

昔住んでいた家に居た
夢の中で
とても広い家だった
廊下を歩き
部屋から部屋へ移動した
懐かしかった

ふきぬけの階段を駆け上がり
手すりにのぼって
下を見た
 
 
(2022,12,18)
 

[86]Lucy[2021 11/15 22:12]
振り返った時
他の人たちが胸をなでおろす気配がした
みんな自分じゃないとほっとしている

ターゲットが変わった
以前のターゲットを
全力でかばったつもりだったけど
私には別なレッテルが貼られる
今日から一枚づつ
他人の口づてにそれは増えていく

正義の味方気取り
口うるさいお局
怖い人
理詰めで人を追い込む人

虐めた人はいじめられた人の訴えを
攻撃と受け止める
まるで私が虐めてたみたいじゃない?
そんなつもりないのに
言いがかりだと
言いふらしたほうが優位に立つので、
みんな優位の側に立つ

虐めてる感じなんてしなかったよね
普通に注意しただけじゃない?
あの人のことを思ってのことなのに
加害者扱いするなんて怖い

私も別にいじめられてなんかいないのに
あの人が誤解して言い立てるから迷惑

ターゲットじゃなくなった人は
先頭に立ってかつての加害者をかばう

私の見ている景色は他の人とは違うので
何一つ証明することは出来ない
 

[85]Lucy[2021 10/02 16:32]
ベンチよりも
ブランコがいい

想いきり漕いで空まで行けるかと錯覚し
失速して引き戻される

そしてまた反動で舞い上がる
思いもよらない高さまで

雲梯をコツコツのぼる握力も根気もなくて
鉄棒にも嫌われ
すべり台にも飽きられて

風に揺れる ブランコ
 

[84]Lucy[2021 09/12 21:00]
周りのみんなが眠っているのに自分だけが目覚めている夢を見た夜
揺り起こそうとしても誰も返事をしてくれない
窓の外で陽射しだけが明るい
いびきが響くま昼間の午睡
眠っている大人たちの間に身を横たえて
目を閉じてみるしか術がなかった
もう一度目をあいた時
本当に目が覚めますようにと願いながら
 

[83]Lucy[2021 08/30 21:39]
ホームで見上げる架線の五線譜に
トンボの音符が泳いでいる
雲のト音記号のとなりには
黒いカラスの休止符が舞い
壁の時計はフェルマータ
パンタグラフはデクレッシェンド

発車を告げるアナウンス
エコーがかかるビブラート
レールの継ぎ目はメトロノーム
切れ切れのリズムを緩やかに刻む

出発の朝は 秋がいい
耳の奥の澄み渡る空に
好きな音楽が鳴り響くような
 

[82]Lucy[2021 08/27 20:58]
世の中にはサンタクロースも魔女もピーターパンもいなくて
どうやら我欲に取りつかれたお金の亡者ばかりがかっぽしているらしいと気づいたころ

「お前のような卑怯な人間は見たことがない
お前は嘘つきでいい子の仮面を被った偽善者だ!」と、
担任の教師に罵倒された

その時は本当に私を信じて
期待してくれていた先生を裏切ったのだと思って自分を責めていた

でも今ならわかる先生は私のような優等生がぼろを出すのを待っていたのだ
はじめから嫌いだったのだ

それさえわかっていればあんなに苦しまなくてもよかったのに
でも私は人生において最も大事な気付きを得たのかもしれない

自分は優等生の仮面を被った偽善者だと
 

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