チアーヌさん「かわいい匂い」に関する私見/佐々宝砂
 
以下の方がこの文書を「良い」と認めました。
- いとう 
俺はあの詩、「強烈な自己愛の詩」と読んでポイント入れました。
あるいは、自己愛から発生した“発見”の詩。
母性から遠く離れ、(内実として)自分の子供を対象としか見ていない姿が鮮烈で、
だからこそ逆に「かわいい」という言葉の軽薄性、薄っぺらさが、映えているのだと思います。

>芳賀梨花子さん
「母性というものにあたしは確信を持てない母である」とおっしゃってますが、
母性の強い人ほど(追記:あるいは母性に執着のある人ほど さらに追記:母性を望む人ほど)あの詩に嫌悪感を持つと俺は思います。
- 初代ドリンク嬢 
ごめんなさい、私も子供の2,3書きました。でも、なんかいつも反則を使ってるような気がしてます。う〜ん、なんかうまく伝えられませんがポイント入れさせていただきました。
- 芳賀梨花子 
わたしという人間もいちおー母親だけど
この詩に嫌悪感を持った
母性というものにあたしは確信を持てない母である
その上、自己否定の海に沈んでいる人なので
そのように感じたのかもしれないと
ささほの私見により理解できたような気がする
あくまでも気がするだけだけど

>いとうさん
私はね、当初、強い母性として受け取っていたのです
ささほに自己愛の表れなんだと言われるまでは
それに、あんた自己否定の人なんだからしょうがいないでしょ
なるほどと思いました
なのでこの私見にポイントを入れたわけです
私はかわいい匂いには思えない部類に振り分けられたわけです
で、母性について
なんか畳み掛けられるように攻め込まれていますが(笑)
私は母性に対して確信がもてないでいます
たぶん、後天的に母性を得ようとしている
だから、いとうさんいわく執着とかそういう表現があってるかもね
ぐさぐさっとくるし(笑)
この辺からは詩から離れて
ナーバスできわめて私的なおはなしに
なっちゃうからやめておきましょう
ではでは、おやすみあそばせ


- たもつ 
「好きだと書いていいなら詩は要らない」というつまらない呪縛からそろそろ詩を書く人間も解放されていいのではないだろうか。
所詮は言葉だ。
- 石畑由紀子 
私が当初うまく咀嚼できなかったのは、いわゆる母性だったのだけれど、自己愛の延長上にあるもの、あるいは発見と捉えることで、やっとこの詩に追いつけたと感じました。
- 砂木 
この文章を読んで チアーヌさんの詩は詩として
佐々さんが私見の中で見せた佐々さんの詩は詩として
切り離して 読ませていただこうと思いました。


-  
- 佐伯 
- 鏡文字 
あんまりにも尤もなので笑ってしまいました。そうですねー。自己愛。母性がなくても子は育つそうですし、子がいなくても母性的な人っているそうですし。母性より自己愛の方が信じられますね、確かに。
- 北野つづみ 
子供は排泄物なのだという感覚を自分が持っている、という認識をあらためて確認しました。まだ、ここまでしか考えられません。子供を題材にした詩をかくことについては、自分の中ではやめられません、としか言えません。ごめんなさい。
- みつべえ 
「内蔵の匂いがした」をどう感じるかがポイントでしょうね。私は自分の「内蔵の匂い」なんか絶対嗅ぎたくないけど(笑)
- 石川和広 
批評として佇まいがよい、是非はおいといて作として見ると、的確に作品の本質にきずかされた。
かわいいという言葉に関して、ある種の母親な方しかわからない感覚なのか、佐々さんの指摘が佐々さんの立場から正鵠を得ていても、書き手が作に対しどう考えたか聞きたい気もします。
私は残念ながら、どちらの立場でもないけど、もしぼくが、子供なら佐々さんの云うようにイヤかも。これが僕が父親だったら、少し
辛いなあ。ただ、ぼくは、こういう感覚が、少し複雑だとしても、
こういう作品自体の存在は、興味深いし、逆説的に、母のきもちとは、なんなのか、チアーヌさんの位置から、示されていることに意義はあると思い彼女の作にもポイントしました。
- 窪ワタル 
チアーヌさんの詩は素晴らしい詩だとおもいました。敢えていえばだけど、完璧という言葉を使ったことをその時点での自身の感想として間違いだとはおもわないし、チアーヌさんのこの詩は、今も、素晴らしいとおもいます。しかし、佐々さんの『かわいい』という表現に対する評には説得力があります。

俺はこの詩を子どもへの愛情に溢れたしだとおもいます。
しかし、それは、「私はこの子の母なのだ」という強い自負から来るものであるとおもわれます。
ここでの愛は、無償の愛ではないとおもわれ、子どもにを手中にしているのだという満足感が滲んでいるように思われもします。

強烈な文章でした。
考えるきっかけをくださってありがとうございました。
- 山田せばすちゃん 
あえて何も言わない
- あおば 
単純な読み方しかできない私は、なるほどと目から鱗でした。
そして、
チアーヌさんの詩を読み返したら、やっぱりいいと思う。
チアーヌさんの存在感が強烈で、佐々宝砂さんの私見が
ことばの個性を際立たせて、確信的な表現として現れた。
- あとら 
- 川村 透 
- 天野茂典 
チアーヌさんの詩も、宝砂さんの私見も理解できる。ぼくの立場は
なかをとりもつ巡航船だ。どんぱちやってくれたらおもしろい。
- umineko 
自分的には、あそこの「かわいい」ってところはちょっとした
冒険のような気がしたけど。基本的ににおいに「かわいさ」
なんてないんだし。強制的にいとおしいと感じさせるような
スメルそんなものを温度と共に感じたのですあるいは温度のせいで、
みたいなところでしょうけどね。
で、それはとっても理解できるんですが、ちょっとシンパシイの
部分でもうひとつしっくり来なかったので、チア作品にしては
もうちょっといけるよね、みたいな風でにこちゃんマークは
押してないんです。すまぬ。
- かえで 
チアーヌさんの詩はぱっと見正統派の詩でよいと思いましたが、ささほさんの解釈がとても気に入りましたので、こちらにポイントを入れされていただきます。
- よだかいちぞう 
- 離衣 
- nm6 
- ふるる 
チアーヌさんの詩の、蓋をしたいような生っぽい所が、私にとっては何かしら魅力です。
- m.qyi 
- 木葉 揺 
母性に対する嫌悪感ってのは、現代の女性の多く持っているのではないでしょうか。
「子供を育てるだけの人生」を否定した社会の中で育ったんだから、多かれ少なかれ刷り込まれていると思います。
 私は素直に「自分とは異質なもの=母性」に対する憧れと尊敬でポイントを入れた気がします。
 それには私も少しだけ問題を抱えているので、今は「母性と自分を結び付けたくない」と無意識にブロックしていたんだろうと思う。
 男性と同じにはなれないのに、男性のような視点で見ているつもりの自分に気づかされました。
 忘れていたくも、離れてくれない問題だなぁ。。。
 
- 佳代子 
-  
- かおる 
- あぐり 
- メチターチェリ 
 
作者より:
みなさま、いくらか、誤解されてることがあるかもしれないので、追記として。

私は、子どもを描いた詩が嫌いではありません。好きな場合もあります。
私は、自己愛を描いた詩があってもいいと思います。誰か凄いの書いてください。

たもつさんには異論がある、というか、実は私、「かわいい」という言葉を
使ってもかまわないと思っています。のだけれど、「かわいい」という言葉を使う
ために必要な手続きがこの詩ではなされていないのではないか、と思うわけです。
というわけで、現時点で私の考えが近いのは沼谷さんかなあと感じました。

あと、チアーヌさんの意見を聞きたかったりもしますが、
それはわがままというものかもしれません。

さらに追記。
私は、後半の「内臓の匂い」という表現を買います。
好みは別れるでしょうけれど。
露悪趣味とは、たとえば私が、自分自身を指して「石女」と呼んだりする、
そういったことなのかもしれません。
出産は悪ではないし、月経の血液も内臓も(ナマではありますが)悪ではない。
それらを動物的と呼ぶならば、人間は紛れもなく動物的。
とゆーか、人間は動物ですってば。
出産や月経をケガレと捉える視点を考え直したいと思う昨今です。

さらなる追記。
私は母性愛、正しく言うなら母性本能を信じてはおりませんが、
母性に嫌悪を抱いてはおりません。
母性というものはそれなりにあるもんだろと
まあ、そのくらいに考えています。
また、母性は子どもと同時に生まれ育つものであって、
もともとある本能的なものではないと思っています。
子どものように小さく産まれて大きく育つ母性もありましょうし、
逆に大きく生まれたのにどんどん小さくなってしまう母性もありましょう。

ごくごく私的な話ですが、私の母はへんなひとです。パワフルです。
私の母はずっと仕事を続けてきて、定年後も趣味と友人を多く持っています。
それでも私は、母に愛されたという自覚を持つ、幸せな人間に育ちました。
そして私は、自分の視点を男性のような視点とは思いません。
男になりたいとも思っていません。
今は思っていません。
(つまりむかしは思っていたのですな)

---2011/10/14 14:07追記---

こののち数年後、私は妊娠して出産した。医者も周囲もびっくりしたが
私が誰よりおどろいた。
出産して考えはちょっとだけかわった。

「内臓の匂い」という表現を私は買っていたのだけど、
出産してみたら「当たり前じゃん」という感想に変わった。
したがって詩の評価はすこし下がった。

何事も経験してみるものではある。

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