頽廃芸術と呼ばれて—昨日NHK日曜美術館をみました。/石川和広
 
以下の方がこの文書を「良い」と認めました。
- ふるる 
パウル・クレーという響きが好きです。絵も、淋しさをたたえているような、それに寄り添うような印象を持ちます。
>現地のおばあさんや孫には今でも思い出になっている素敵な面もあるのではないかとも
ここに大きく頷きました。それこそが、芸術の果たせるところだと思います。自然だけじゃなく、人が作ったもので、人が喜べる、というの。
- 石畑由紀子 
天使、なんて愛らしい!「鈴をつけた天使」の視線もかわいいですね。おばあさんの幼少の記憶にあるクレーに、ナチスとの闘いとはまた違った、アートの根源を見るようです。素敵なエピソードだなぁ。

6年前、ビルヘルム・レームブルックというドイツの彫刻家の展覧会を鑑賞しました。彼もまたナチス政権により退廃芸術の烙印をおされた芸術家ですが、生きることの苦悩と向き合うさまを大胆なフォルムで表現していた、印象派の彫刻盤といった作風が興味深かったのを憶えてます。

フランツ・マルクが印象派的に描いた青い馬も「青い馬などこの世に存在しない」という理由でヒトラーに槍玉にあげられたそうそうです。この定規のまま、もし退廃芸術のくくりが本格的に文学にも及んでいたら、当時の詩や詩人の多くもまた規制・迫害を受けていたのでしょう。
豊かな表現世界を否定することは人々から想像力を奪うことでもあり、戦争のような有事に有効な規制、統率であるなら。。そうですよね、これはナチス政権に限った話ではなく、日本も例外ではないんですよね。かの戦時中の、さまさせまな表現規制を想いました。くりかえしては。いけないですね、ぜったい。
長文多謝。
- m.qyi 
- ぽりせつ 
>面白くない作品は〜
>こちらもある疑いをもってしまう。

極限まで純化した個性には、
人間としての普遍が現れると信じています。

個性とは
「自己の中で能動的に働く意思の純粋な発揮」であり、
強弱はあっても同類である以上、
意思の源泉は共有しているはずだからです。

そう言った意味で、
能動的意思に純粋でないものに人間として「違和感」を
感じたのではないでしょうか。


>生き物や世界への希求

体感を体感足らしめることに、
芸術が人間を捉えてくれる起点がありますね。

クレーの天使は確かに可愛らしいですが、
その天使を何枚も「描かねばならなかった」理由を
考えると、やはり戦争
さらに言えば親友の「死」であり、
己に迫る「死」だったのでしょう。

巨大な恐怖に真向かったが故の作品ですね。
 
作者より:
ふるるさん、ポイント第一号ありがとうございます。
まったくポイントがなく、出来の悪さかなあと反省しきりでしたから、ちょと安心しました。

おっしゃるとおり。まさしく深い孤独や破壊と釣り合う何か寄り添う感じがあるのですね。
どうもリルケの詩もそうらしいですが天使は残酷な、つまりネチネチした共同体を踏み潰すくらいの破壊力を持つらしいです。
もちろん放埒に人間が暴力を振るってはいけないです。が風通しがわるいとき、かまわず風穴を空けるときも必要ではないかと思います。

だから生でみたいんですね!確かめたい。クレーにとって絵は何を壊し何を守るものだったかと。

>石畑さん


そうです。ただクレーやベンヤミンにふりかかった災厄は過去にそうだったということには還元できないようにも思いました。
現在の日本の社会での表現の状況もなんとなく楽観できないわけです。悲観しすぎたらしんどいけど。
だから人とか世界とかに対する根底的な感受性を失わないにはどうしたらいいか。

清志郎が死んだらいい人にされてしまう。もちろん危ういくらい善良な部分があって。でも子供のときの私には清志郎は変なおじさんでした。
ある意味で違和感を発生させながら伝えるという工夫を彼はしてたはずです。

ただただ抗議するときもあれば、変化球も投げるのです。社会は今Webの発達で、言論や表現の状況は変わった。
しかし柔軟性を失った社会が人々に災厄としてふりかかることは変わっていない。そこで色んな変化球が投げられたらなあと思って。

大不況の後先の大戦が来てしまったのですが、今回は大不況になっても価値観の間での神神の殲滅戦だけは選びたくないんです。
911でもそうですが、民主主義を守るために逆に暴力が使われる状況はもうあったわけですから。

しかしながら天使シリーズはいいですね!「天使というよりむしろ鳥」とか「泣いている天使」とかもう素晴らしいですね。なんか吉田戦車とか中川イサミとかですね、ああいう感じもいたします。でもマンガとは微妙にちがってて。こういう線を使って、ただならぬ存在の不思議をそのちょっと悪い感じを表現できるのが今も新しい。
実は死と炎も好きだし、もっとすごく記号とか模様みたいなものも谷川俊太郎の「クレーの絵本」に乗っていました。ありがとうございます。
---2009/05/20 13:00追記---

訂正履歴:
更に修正09-5-19 9:18
多少直しました09-5-18 16:21

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