栞紐/そらの珊瑚
夏美かをるさんのコメント
昼間食べたり泣いたり散々忙しい思いをしても、夜には必ず同じ場所に戻ってくる。栞紐がそこでひっそりと私だけを待っていてくれるから。そして又少だけ栞紐を進めれば、その分折り重なっていく過去。栞紐の向こうにはあとどれくらいのページが残されているのだろう?いつか物語を読み終えてしまうのがとても怖いのに、それでも私は毎日食べたり泣いたり笑ったりを繰り返し、夜には必ず栞紐の示す場所に戻ってくる。もはやくたびれてしまったその紐をまた少し進めるために。私だけの物語の壮大なエンディングに向かってーーー勝手にこんなことを考えました。よい詩とは様々な思いを喚起するものですね。