ひとあし おさきに 三部作/るるりら
黒髪さんのコメント
指の主張を考えて、指に話させて、指の人間らしさを、みごとに描いてみせる、この詩、とてもいいです。子供らしいとも言えますが、大人の余裕という感じでもある。考えることは時間をくうことなんですね。だから、効率や速さといったような価値観とは対立する。その対立を、担ってみせるのが、おもいやりや感動、感受性といった、芸術的な価値観ですよね。
競争ではなく共存している指っていうものは、きっとこうしたことを考えているだろうと思わされるよい詩でした。雰囲気が、とてもいいです。
白亜の校舎も、こうして並べてみた時、やっぱり時間が素晴らしい。強さや潔さ、爽やかさ、抵抗のための価値観が詰め込まれている。