頽廃芸術と呼ばれて—昨日NHK日曜美術館をみました。/石川和広
石畑由紀子さんのコメント
天使、なんて愛らしい!「鈴をつけた天使」の視線もかわいいですね。おばあさんの幼少の記憶にあるクレーに、ナチスとの闘いとはまた違った、アートの根源を見るようです。素敵なエピソードだなぁ。

6年前、ビルヘルム・レームブルックというドイツの彫刻家の展覧会を鑑賞しました。彼もまたナチス政権により退廃芸術の烙印をおされた芸術家ですが、生きることの苦悩と向き合うさまを大胆なフォルムで表現していた、印象派の彫刻盤といった作風が興味深かったのを憶えてます。

フランツ・マルクが印象派的に描いた青い馬も「青い馬などこの世に存在しない」という理由でヒトラーに槍玉にあげられたそうそうです。この定規のまま、もし退廃芸術のくくりが本格的に文学にも及んでいたら、当時の詩や詩人の多くもまた規制・迫害を受けていたのでしょう。
豊かな表現世界を否定することは人々から想像力を奪うことでもあり、戦争のような有事に有効な規制、統率であるなら。。そうですよね、これはナチス政権に限った話ではなく、日本も例外ではないんですよね。かの戦時中の、さまさせまな表現規制を想いました。くりかえしては。いけないですね、ぜったい。
長文多謝。