夏の骨/今唯ケンタロウ
池中茉莉花さんのコメント
個人的には好きなのです。でも、やっぱり、子どもにはきつすぎるような気がします。それは、「漢字」をよむことがきついということではなく。わたしの中では、松谷みよ子さんの『ふたりのイーダ』が心に刻み込まれているのですが、それは、「原爆」のすさまじさを、事細かに描写しなくても、子どもの心にも、そしてもちろん大人の心にも、強く訴えかける重みがあったからだと思います。やわらかな、イメージで書かれているのに、肉がそげ落ちる描写だけが、どうしても、子どもの視点にたったとき、そこだけがインパクトを持ってしまうような気がするのです。