さようなら秘密基地/田中修子
狩心さんのコメント
パッと読んだらいい感じを受けたが、なんか引っ掛かって読み直したら、良くない気がしてきた。

「なんもない」とあるが、読後の僕には、なんもないとは思えなかったし、そういうキャラ設定ならネガティブで性格悪いなと思った。「ぜったい壊れちゃうんだけど」、「わたしだけがね」あたりも、自己完結臭がすごい。「灰色に枯れかけた景色を / あるいてったさき」には、むしろ非常に豊かな世界があるように思えた。

1連目無しで、「(記憶のおくのほうで化石になってくれていた はやあしのおと)」から始めても美しかったんじゃないかと思います。

「いつのまにやら / わたしのこころが秘密基地」は、お茶目で可愛い感じを受けました。

本当に欲しかった秘密基地は、いわゆる、子供が公園に作るような実際の物理的な秘密基地ではなくて、精神的な居場所のメタファーですよね? しかもそれは自分一人でできることではなくて、きみが必要だった、けどうまく通じ合えなかったほろ苦い思い出。もしくは、もしかしたらほろ苦いどころか、トラウマクラスのしんどい話だろうか、だとしたらもっと重たく書く気もするし、作風をみるとほろ苦いにとどまる気がする。

自分的にはやはり、作者の閉塞感が自分自身のせいで尚且つそれを肯定しているのが如何なものかと思い、それが仮に自己哲学や芸術性にまで昇華されていたらそれはそれでいいんだけど、昇華されていないから、ただ自滅しているナルシズムみたいなものに見えてしまいました。

---2018/05/06 14:11追記---

すいません。僕は自分の作品を大量に書いてますよ。ここで読めます。あと僕は批評家みたいな文章は書けません。いわゆる作り手目線で作品を感性的に論理的に分析はします。あと、創作意欲についてですが、僕はかなりある方です。詩だけでなく、絵画、音楽、映画、ゲームなどなど、非常に多岐にわたり、かつ、プロとしても行っています。だから、ご心配なさらなくても大丈夫です。