犯す/印あかり
狩心さんのコメント
「夏の神様」・・・ただ単純に夏だっただけなのか、夏の蒸し暑さ気だるさなのか
「青い息」・・・理性なのか、青春、青いってことなのか
「木造アパートでひとり」・・・底辺、貧困、孤独、とか?
「微旨のあぶらみを味わっていた」・・・奥が深くて微妙な趣旨、あぶらみは個人的には、余分なもの、蓄積していたもの、耐久力などだろうか、。、
「鼻を覆ってしまって」・・・現実感がないっていう事?
「彼は明朝体の歯ごたえだけを 慰み」・・・読んで字の如く

「犯す」「わたしだけがその匂いに気づいていた」らへんから、おそらく、
まだ「雨」は降っておらず、これから降るであろうと、言っていると思う

語り手は、現実感を無くしていて、なおかつ自分でも自分が歪んでいる事に気付いていて
それに耐えられなくて「部屋を出た」
そして現実感や、精神的な本当の自分みたいなものを、取り戻すために
「バット」のような物理的な物で、犯罪的なことを「犯す」のかもしれない、と推測する
「アスファルトを引っ掻いている」のも、壁的な硬いものや現実、地面といったものにアプローチ、接触しているものと思われる

「ポケットの中で部屋の鍵が鳴り続けている」・・・
これははっきり言ってよくわからないが、引き留めようとしているのかな?

という感じで、映画のワンシーンみたいに読みました。

1連目から3連目まですんなり読めない結構凝った表現、言葉のチョイスをしていて
それを個性的なセンスと感じて凄い、または、分りづらいと思う人もいると思います。
自分としましては、個性的なチョイスでいいなと思いつつも分かりづらいなと思いつつも、
最終的には、無理やり頑張ってひねり出したというか、
作者の不自然な頑張りというか、そういう創作意図が垣間見えてしまったのが
やや、良くないと思いました。
なぜなら、読み手を、作者ではなく、語り手の世界に没入させた方が
映画的なワンシーンとしては良いと考えたからです。

一読しただけだとポイント入れそうになりますが、
何度も何度も読むと、そんなに凄いこと書いていない事がわかり、
厳しいですが、ポイントなしとしました。

センスは明らかにあります。

---2018/04/16 23:14追記---

コメント読みました。なるほど、、
1連目そういうことだったの(笑)
であれば、素直に「見下ろしている事がわかるような単語」をぶっこめば良かったと思うなぁ。
抽象的過ぎてわからんわw 感覚的には伝わるというか、いいんだけどね。

でもなんだろ、コメント読んで思ったのは、
そういう姿勢で書いていって構わないというか、姿勢的にいい感じじゃんと思いました。あくまで僕がそういう書き手の姿勢が好きってだけだけど。

詰め込み過ぎってのもいいんすよ、やっちまえば、
つまるところ、詰め込みすぎて理解されないんならいっそのこと
突き放したり、圧倒したり、突き抜けちまうっていう手法もあります。
共感だけが手法じゃないので。

ただ、多くの人にわかるようにとか、わかる人にだけわかればいいとか、わかるとかそういうの気にしないとか、色々ありますが、

すごいねーと、早々に評価されるためには、わかりやすくすることですね、、まぁそれはつまり言っちゃうと、本当に気持ちいい個人的な表現とか、センスを、ある種、角を丸くして妥協することだし、センスとかより、技術的な話。