残夢2010/大村 浩一
大村 浩一さんのコメント
 しばらく短歌から遠ざかっている間に、世間では現代短歌が活気づいてきた
ようです。今更ノコノコ出ていって書き始めるのも恥ずかしいとはと思いまし
たが、才気の集まるところに行かないと見えないものがあると感じて、プライ
ドを棄てて再参入を決めました。
 さすがに何だか反響が違う。この詩に何かを寄せてくれた方は、書くことに
対して何らかの闘志やこだわりを持った方だと私は思っています。
 本来ならば阿部嘉昭さんが提唱するように文語できちんと書きたいのですが、
何分不勉強無教養の身なので、鍛錬の傍ら作品も書いてしまうという無謀(笑)
をする事にしたのです。

 枡野浩一さんの「かんたん短歌」は、戦後の短歌界にとって本当の革命だっ
たと私は思っているのですが、口語短歌の作品は似かよったものになりがちと
いう弱点もあるようです。けれどもそれも飯田有子さんや斉藤斎藤さん(穂村
さんはもう有名過ぎるので敢えてパス)の作品を見ていると、克服可能なもの
だと改めて分かってきます。
 今回の詩の題材の多くは、近年に母親と行った病院で見たものがベースとな
っています。まだ要介護には至らない彼女ですが、辛いことは辛いようです。

紺碧さん、佐伯アキラさん、sadame2さん、中岡慎一郎さん、
dフェイゲンさん、都志雄さん、鵜飼千代子さん、 
夏嶋 真子さん、たまさん、salcoさん、緑川ぴのさん、
吉岡ペペロさん、nonyaさん、るるりらさん、ルナクさん、 
野の花ほかけさん、

ポイントを下さった皆さん、ありがとうございます。
できればどの詩が良かったかを教えて下されば、と思います。
緑川ぴのさん、さっそくお教え下さりありがとうございました。

>>salcoさん
#「くるしみを並べるうた」は恥ではないと思います。

 同意します。私も実際にはそこを作品の多くの出処にはしている。

 その上で、自分のくるしみが世界のなかでどの位のものなのか、相対化出来
ているかどうかは厳しく問われると感じています。被爆した子供に天ぷら油し
か塗ることの出来なかった親のくるしみが、今の私に分かるだとかはとても言
えない。「くるしみを並べるうた」の詩は、拙作「夕張aika」の悲惨鑑賞団の
くだりと重なる、私の考え方のひとつだと弁明しておきます。

>>緑川ぴのさん
 純粋階段、好評で良かったです。トマソン本来の純粋階段は目的もなく登っ
て降りるだけですが、リハビリ用ではそれ自体が目的なので、実は純粋階段で
はないかもしれない。(笑)「の」の三段重ねは北園克衛の影響です。(嘘)

>>野の花ほかけさん
 最初の詩にコメントをありがとうございます。子供が出来てからこっち、周
りは幸せだろうと眺めていると思いますが、私の中では死生観みたいなものが
ずっと頭を去らずにいます。この詩群ではそれが基底音になったと思う。
 もっとも今後はもっと不謹慎な短歌も書くと思うので、気に入らない作品は
どうかスルーして下さい。(笑)