片思い/紫
孤蓬さんのコメント
一首中、文語と口語が無定見に混淆し、ロラン・バルトの謂う“エクリチュール”が空中分解してばらばらになった印象です。

或いは、この↓ように、あり得ない痛々しさを醸し出しています。
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>君笑う決して我には見せぬ顔焦がれた笑みが心の臓燃す
副詞「決して」は口語脈、一人称代名詞「我」は文語、完了継続の助動詞の連体形「た」は口語、名詞「心の臓」は岡っ引きの口調のような近世の口調、このように、一首中の“エクリチュール”がばらばらで訳が分からない不統一さです。

>ハイボールの残夢にたゆたい現顔叶わぬ恋と予感していた
この歌は全体的に口語詠のようですが、「現顔」は完全に古語であり、ここだけ平安時代のような雰囲気で、“エクリチュール”が壊れています。
四(五)段動詞の連用形「たゆたい」も、現代口語ではあまり使われることのない、古い言葉です。