ちょっとわかって、ちょっとわからない。/ななひと
伊藤透雪さんのコメント
発達障害の当事者として、仲間である自閉症について少し解説させていただきます。
自閉症者が独自の言葉を持つ、というのはニアリーイコールです。
子供の頃に造語することはありますが、殆どは言葉の意味を狭く記憶しそれ以外の使い方を覚えない(経験から知るという事が困難)ことからくるものです。
どちらかというと世界の捉え方が独特であり、しかも同じ自閉症者同士でもバラバラなところが理解を阻む大きな要因です。
しかし知能が平均またはそれ以上の高機能の場合は、会話では定型発達者とほとんど問題なくできます。
しかし他人の気持ちを推し量ることはほぼ不可能なので、詩のような文章から理解してわかる、というのは困難です。

長くなりましたが「自閉する」わけではありません。
障害ゆえわからないので、いとうさんの仰ることは間違いでも、貶めることでもなくむしろ正解です。
定型発達者から能力を推し量る方がむしろ偏見の方にあたります。

[クリエイツかもがわ]から出版されている服巻さんの本を読まれることをお勧めします。

ちなみに私はADHDで、近い仲間ですが自閉傾向は少ないです、念のため。
---2007/03/23 12:23追記---
当該の部分が文章にないので、しつこく書くのは気が引けるのですが、haluさんに一つだけ言っておきます。
私の書いたものは、定型発達の学者が書いたものとかからの情報ではありません。
私自身が当事者と交流しているので、当事者の口から直接訊いている話しです。
そして、大人の当事者のほとんどは診断を受けに行って診断が付いたら「ホッとしている」という事実。
障害には誰しもなりたくないけど、元から持っている障害ということならそれをはっきりさせてどうにかしたいわけです。
そこで自助努力しますが、特性のほとんどは自助努力ではどうにもならないので、
自閉症を正しく知ってもらい、支援してほしい(お金だけでない)と思っている当事者がほとんどです。
「今分かっていること」で診断するしかない(開頭して調べるわけにはいきませんから)以上、
専門家の説を採るしかないのですから、流動的部分をもって批判することはちょっと困るな、と思います。
せめて「病名」ではないことくらいは配慮して欲しいですね。

---2007/03/23 12:36追記---