新しいことば/atsuchan69
おぼろんさんのコメント
昔はスラング上等、スラングを使わなければ表現者たる意味もない、と考えていましたが、今はスラングなど10年経てば忘れ去られるんだな、と思っています。残ったのは、「ダサい」とか「なにげに」くらいでしょうか……。「なにげに」もないな。atsuchan69さんにとって、新しい言葉とは自分に生まれた新しい言葉なのか、世界に生まれた新しい言葉なのだろうか、ということを思いました。作品中にそのどちらも現れているような気がしますが、それを考えることは難しいような気もして。詩として書かれたものであれば、詩に使われる言葉にたいする新しい切り口、atsuchan69さんの感受性を交えた新しい挑戦なのかな、と。新しい言葉をテーマとしつつ、そこに使われているのは、優しく標準的な言葉で、そこにatsuchan69さんの表現者としての真摯さを見ます。まあ、そんな御託は別として(御託のほうが長くてすみません)、単純に読んでいて面白い。「あ~」とは「は~」ではなくて、「むむむ」と感じさせる。そんなところに好感を抱きます。「揺れる吊り下げ広告にも なぜかぽつんと」……電車の中吊り広告、かな。東京などでは多いけれど、地方ではほとんどないんですよね。そんな質朴な情景描写が、「ふとした感慨」の現れ、として迫ってきます。