空は見ている/白島真
白島真さんのコメント
孤蓬さま、お読みいただきありがとうございました。

>優雅なるおのが自虐の洗礼に母性あなたは鏡のごとく
>文語詠の一首中、二人称代名詞の「あなた」のみ口語です。

「優雅なる」「おのが」も現代では口語として十分活用されています。
ことばは時代とともに文語、口語の活用が併存され、明かな文法ミス以外
私はあまり孤蓬さまのように目くじらを立てることをヨシとしません。

>聖典を真夜にひらけば一本のわが少年の髪ユダにありき
> 結句末尾に過去回想の助動詞が配されていますが、なぜ過去回想なのか疑問です。

疑問と言われても、過去回想の歌なのですから、何とも・・・・・・。

>一本の濃きまみどりの樹と生れて死したる後も森はまみどり
>「死したる」とありますが、サ変動詞には完了継続の助動詞は「たり」よりも「り」の方が親和性があり、文語としてぎこちない印象です。

(例)ここに初めて妻の死したるを覚りて、大いに叫びて倒れ伏す
    (雨月物語『浅茅が宿』)

死し=動詞・サ変・連用形
たる=助動詞・完了・連体形

まあ、サ変の場合は未然形、そしてエ音に接続されますから「死せり」が、「り」を活用させて「死せる」となるのでしょうが、ぎこちないかどうかは好みです。

七音に直せば「死せる後にも森はまみどり」・・・・これはこれですが、私は「死したる」を取っただけです。好みの問題を持ち出されても困ります。

---2016/10/09 18:17追記---
孤蓬さま、
貴重なアドバイスを有難うございました。
今後の参考にさせていただきます。

---2017/01/30 20:52追記---
>仲程さま
>二首目 よくあるような瞬間がこんなにしみること。いいです。

遡って読んでいただき嬉しいです。
そういえば貴作にあった友川氏とは友人関係にありました(最近は没交流)
彼のアパートがあった川崎には何回も訪ね、呑んだことがあります。