大寒の頃/田中教平/Kou室町 礼さんのコメント
これはセリフだけを抜き出してみるとわかるのですが
ストーリー展開としては動きはありません。
そして情況説明は長すぎるほどですがこれも台本のト書きのように静的です。
NHK朝ドラのように毒もなければ嵐もない淡々とした日々を書いています。
おそらく日記ふうに小説を書いているのでしょうけど、これ、書く方は
気持ちいいでしょうけど、読む方はさすがにつらい。
しかし一見すると、障害者というワードが錘になっていて、それを中心に、
淡々とした生活描写のなかに、夫婦の不完全さとそれゆえの絆が静かに描かれた
秀逸な私小説的リアリズムらしきものを感じさせます。
でもわたしはその設定と語り口のすべてにあざとさとわざとらしさを感じて
あまりいい気持ちにはなれませんでした。
--2026/02/04 03:57追記---