悔しさ/海
足立らどみさんのコメント
この詩は、未だ文学極道の残り香が原因なのか自己中のわがままな匿名の若者達が現れては消えてゆく、また、現れては消えてゆく、マウンティングをとり続けては、さっと長くて数年間という短い時間で辞めてはまた現れるのだろう僕も含めた彼らの鬱陶しい姿、その繰り返しを嘆く姿、さらに何もできない悔しさを描く姿はシーシュポスの岩の物語りを惹起させます。
そして「澄んだ鳥の鳴き声を聞かせて」という祈りのような言葉により、わずかな救いを求める詩的な反射——日本の古代から続く「岩と花」のモチーフによりこれからの作者の進むべき方向性を示して終わることで、私たちに悔しさを抱え続けるしかない人間の尊厳を伝えることにも成功しています。
実験曲とともにミューズは未だ現れていませんが令和は新しい局面に入っていることをadvocaterの作者は告げていて、まさに共創加速時代の入り口にたどり着いた作品なのではなかろうか。