過越祭/森 真察人洗貝新さんのコメント
ふむ、タイトルに置かれた宗教的儀式と人間が持つ邪悪な残忍性は、
何れも服従と忍耐を強要するものとして描かれもしますが、
このことを精神と肉体の乖離という観点から見つめてみれば、
その動機は表裏一体となって危うい状況に陥ることにもなってしまう。
まさに現在の右派政権イスラエルが抱える不条理と合致するわけですが、
この描き方は読む人によって捉え方は異なるでしょうね。出エジプト記。
息を休める暇もなく勢いで書き込まれているのも、
この醜悪な肉体の描き方の読みを精神との対比に促すように分散させ、
読み手に提起しようという目的もあるのだと思う。