ヴァーティゴ*/ひだかたけし
ひだかたけし
さんのコメント
『足利』
足利の里をよぎり
いちまいの傘が空をわたった
渡るべくもなく空の紺青を渡り
会釈のような影をまるく地へおとした
ひとびとはかたみに足をとどめ
大路の土がそのひとところだけ
まるく濡れて行くさまを
ひっそりとながめつづけた
(石原吉郎)