ao/ryinx
朧月夜さんのコメント
「yume/no。」というのが単なるローマ字化ではなくって、「夢ノー」、のように聞こえるのが、この詩の切なさを表しているようで良いと感じました。いろいろ詩のなかの気もちがゆらいでいるようにも見えるのですが、このゆらぎがこの言葉でリズムのある<ゆらぎそのもの>として定着されている感じがします。「白い粉を買って、/余韻を支払う、」……ですとか、白い粉は文字通り(世俗的に)読めば怪しい粉なんでしょうけれど、ただ余韻を支払うというのはオリジナリティーがあって良いなと感じ(そうすると、この粉は魔法の粉に変貌するのでしょうね)。あるいは、原典などありますでしょうか? その後に「(音がする)」そして、それ以降の行までも一息で続くのが、表現を大切にされている感じで。最後まで心地よくゆれている。最後の「あなたは優しい」は、ありきたりな感じもしますけれど、ここまで綴られた表現の丁寧さを再度辿ってみれば、この言葉しかないと感じさせる。……そういうのが、ryinxさんの心根なのでしょうか。ただ、出来れば意図してこうした形を再現していってほしいなという欲も感じました。一方で、この形式はこれ一篇あるのが良いのかな、ということも感じるのですが。この詩のなかにある、ある種の完全さ(不完全なゆえに?)を感じました。