朝の電線/由比良 倖
由比良 倖さんのコメント
>森田拓也さん
本当にありがとうございます。
お気遣い、とても嬉しいです。
なかなか、すごく元気です、とは言えないのですが、
でも、少しずつの積み重ねで生き抜いて、
そして、書けるだけは書きたいという気持ちがあります。
それに、もっと読書をしたり、音楽を楽しんだりもしたいです。
「もう駄目なんじゃないか」という気持ちと、
「まだまだ僕はこんなものじゃない」という強気な気持ちを行ったり来たりしています。

僕自身は、自分の作品の出来に、まだ満足は出来ていないのですが、
少なくとも、投げ遣りには書きたくないと、いつも思っています。
現状維持ではなく、自分が本当に書きたいものを書けるようになるまで、
自分を高めて行けたらいいと、願うような気持ちでいます。

俳句を書こうとして、実はまず森田さんの俳句を参考にしようとしたんですが、
「こんな句は僕にはとても書けない」と、がっかりしてしまったんです。
本当は最初は「秋っぽく書こう」と思って、
「七輪や秋刀魚のにおい虫の声」とか「七輪の熾火のひかり秋の夜」と書いて、
恥ずかしくなって消しました。自分なりの声みたいなものが無いと思ったからです。
もっと、自分のリアルをピンポイントで書こうと思いました。
そうすると、ものすごく難しかったのですが、同時にとても楽しくなりました。

心のリズムのままに書ければ素晴らしいですよね。
森田さんの俳句には森田さんのリズムとリアルが感じられます。
僕が僕として生きることは、僕の言葉を耕していくことと、
言葉を僕の底から掬い上げてくることに他なりません。
(「芸術」という言葉が、生きることと、心の深さに密接に関わるものとして使われるといいな、と思います。)
生活の中の僕よりも、僕が書いた言葉の方が、ずっと僕に近いですし、
また、そうでなければ、あまり言葉を書く意味は無い気がします。
でも、理想は、僕の言葉が僕を超えることです。
どちらにしても、僕の言葉を褒めて頂けることは、
僕自身が褒められるよりも、ずっと嬉しいことです。
(今は、今日書いていた文章の熱が残っていて、少し肩肘張っています。)

言葉って、どこまでも面白いものだと、この頃とても強く感じます。
本当に、お互い楽しんで行きましょう。
森田さんもどうかお体にお気を付けて。