向こう疵/秋葉竹
菊西 夕座
さんのコメント
兵隊アリのひたむきな下働きといいますか、古参の歩兵たちの寡黙な陣地確保といいますか、そのような世界を支える土台にとって不可欠な謹直さが、小船の低い姿勢と重なって静かにうまく描かれていると思います。
>波を裂きながら南へ進んでゆく
や
>あらがう小舟の向こう疵
などが、
ただ大人しいだけでない気骨さをあらわしていて好感がもてます。
もうすこし色が見えたり匂いが感じられたりすると風景に風味がでてよいのかなとも思いました。